予防歯科・小児歯科


予防歯科・小児歯科について
乳幼児
ブラッシング指導(TBI)


当医院の予約枠に占める子供の割合が徐々に多くなり、日によって夕方は咬み合わせのトレーニングをする子供達で賑やかである。学童期といわれる小学校時代は、精神面も、口腔内も変化が大きく対応が難しい場面もあるが、人格ある子供としてきんと向き合えばしっかりと成果が得られる時期でもある。特に7つ、8つ、9つと、「つ」の付く間は親や教師など大人の言うことを聴く年齢であり、この時期に「口腔習癖」や「異常な兆候」を見逃さずに指導することは、健全な口腔機能を将来に亘って維持するうえでは非常に重要である。高学年ともなると、身体の急激な変化とともに精神的にも大きく変化し、自我が芽生え、大人の話を素直に聞けなくなる子供もいる。従って我々歯科医療従事者が子供に接する際には、年齢、学年による子供達の心情の変化を把握しながら臨床に取り組むことは基本である。とても時間に追われるような診療体系では、子供の内面にまで入り込むことは出来ない。当医院のミッションは“価値ある時間を提供する”である。

予防歯科・小児歯科

今までの歯科医療は、むし歯を被せ物などで形態を改善することを治療としてきましたが、乳幼児から成人への過程を通して健康な口腔機能を身につけることが正しい咀嚼・嚥下・呼吸・顔面形態・体幹を構成することが分かってきています。

歯並びを改善したいとお考えの方(特にお子様)は口腔周囲筋の機能向上を先ずは検討してみては如何でしょうか?

5人に4人の子供たちが咬み合わせに何らかの問題を抱えています。にもかかわらづ治療を先に(永久歯萌出まで)伸ばされていませんか?

その結果、ブラケット(ワイヤー矯正の装置)や抜歯治療に移行しているケースを散見します。不正咬合の原因が異常な習癖による口腔周囲筋の機能異常だとしたら、先ずは口呼吸や異常な嚥下や様々な癖にアプローチすることが咬み合わせを改善させる“原因除去”と考えることが自然ではないでしょうか?

顎顔面の周囲筋の異常は咬み合わせだけではなく姿勢・嚥下・口呼吸とも当然関係してきます。

お口を健康に保ってイキイキとした人生を送るためには、むし歯や歯周病になってしまったときの早期治療と、そうならないための予防が大切です。

また、一生を通して健やかに過ごすには、子どもの頃からの口腔ケアがとても重要です。

こちらでは、効果的な予防法と、大切なお子様の歯を守るために親御様に知っておいていただきたいことをご紹介します。


口腔機能の改善を‥‥

4歳6ヶ月
4歳6ヶ月

上下乳歯列は比較的きれいに並んでいる

7歳8ヶ月

7歳8ヶ月

永久歯の萌出に伴い上下歯列弓の乱れが生じてきた

10歳7ヵ月

10歳7ヵ月

親御さんが歯列の乱れ、咬み合わせの改善を検討し始める。

11歳1ヶ月
11歳1ヶ月

口呼吸を鼻呼吸へ、舌を含めた口腔周囲筋のトレーニングをプログラムに沿って毎日継続することによって顎顔面骨格の正しい方向への成長発育を誘導することで、結果的に顎骨に歯が生えるスペースが確保され、歯列が整いつつある。

上記4枚の写真のケースから分かることは、小児は完成した口腔を有する成人とは異なり、成長のあるステージでは正常な機能を有していても、次のステージでは口腔の形態と機能は変化し、誤った機能を獲得してしまうと、正常な機能域に到達することが難しくなることを示している。

子供の1年、1ヶ月、1週間、1日の成長は早い。できるだけ早期に機能の異常に気付き、早い段階で是正を図ることが、将来を通じて健康な身体を維持する基になるであろう。

筋機能的矯正治療の鍵は、ご両親とお子様から協力を得ることであり、それは固定式歯列矯正治療以上の結果を得るためには重要な部分です。

子供たちの咬み合わせのトレーニングを実施していると、慢性的に鼻が詰まっている、もしくは鼻が詰まりやすい子供を見かけます。なぜ鼻が詰まりやすいのでしょうか。慢性アレルギー性鼻炎だから?ではなぜアレルギー性鼻炎になるのでしょうか?当方は耳鼻咽喉科医ではありませんからその分野においては耳鼻咽喉科医に任せることになりますが、トレーニングによって口蓋が広がり上顎骨が前方に拡大してくるにしたがって、鼻の通りが良くなる子供たちがいます。鼻骨は上顎骨の拡大に伴って大きくなり、解剖学的に鼻の通りが良くなると考えることに何ら疑問はないと思われます。AJO-DOの2018年の論文では、頭蓋顔面の成長と咬合は呼吸によって影響を受けるとしています。鼻閉などが原因で舌が低位になり、口呼吸になると下顎が後退することで気道が狭くなる。気道を開いて呼吸するための代償作用として前方頭位を取らなければいけなくなる。呼吸と筋機能の問題が不正咬合を引き起こす。その根本原因を取り除かなければ症状が悪くなってしまうので、習癖が確認された時点で口腔周囲の筋機能トレーニングを行うべきであり、「呼吸→舌→嚥下(飲み込み)→口唇」の順番で改善をさせることが子供達には必要である。 

舌・喉頭矯正術(CGL)、口腔前庭拡大術(EVO)
呼吸の生理学


歯科医院と皆様との二人三脚で予防を

プロフェッショナルケアとセルフケア

プロフェッショナルケアとセルフケア

予防には、歯科医院で行うプロフェッショナルケアと、ご自身で行うセルフケアの2つがあり、どちらかのケアだけを行うのではなく、歯科医院と皆様とで相談し合って両方に取り組むことが重要です。

当医院では食習慣やケアの仕方など、ライフスタイルに踏み込んだお話を伺い、お口の中をすみずみまでチェック。そして、お口の状況を詳しくお伝えするとともに、最適なケアの仕方、定期検診でご来院いただく間隔、それが必要な理由も含めてわかりやすくお伝えいたします。

対症療法ではなく“根本治療”を

対症療法ではなく“根本治療”を

従来の歯科治療では、痛みなどトラブルが発生してから治療し、治療後しばらくして再び同じようなトラブルに見舞われて再度治療するといったが多く、この場合、治療のたびに歯や歯周組織にダメージを与え、歯の寿命を縮めてしまうことになります。


当医院では、そのような悪循環を避け、皆様に余計な負担をかけないため、初診時にトラブルになった根本的な原因をしっかり突き止め、最適な治療を行った後、予防・メインテナンスの仕方をしっかりとお伝えいたします。

口腔筋機能療法(MFT)・正しい呼吸・正しい嚥下

口腔筋機能療法(MFT)で口腔内のバランスを整える

睡眠障害と不正咬合のに関連はある?

人の身体の成長は気道を中心に発達します。言い換えれば、気道を確保できなければ生命に係わってくるので、姿勢を崩してでも気道を確保するように自律神経は働きかけます。

皆さんは正しい呼吸をされていますか?一日に呼吸を何回されますか?

口唇を閉じ、舌を口蓋につけて鼻呼吸することで成長途中の子供たちの中顔面が正しい方向に発達し、上顎骨も大きくなることで歯並びも自然と揃うようになります。

お口周りの筋肉のバランスが悪く、舌癖などがあると歯並びが乱れてしまい、お口だけでなく全身にも悪影響を及ぼしてしまうことがあります。当医院では、そういった悪影響を防ぐため、口腔内チェックで歯並びが乱れる兆候があった方には「口腔筋機能療法(最近では筋機能療法に呼吸と嚥下を加えている)」をご提案しております。

口腔筋機能療法はお口周りの筋肉のトレーニングや、咬む訓練などを行うことで、筋肉を正常な位置に安定させる療法です。歯並びだけでなく、食べたり飲んだりする活動、発音などの改善に役立ちます。


健康な歯はよい生活習慣から

残念ながら、「いつもしっかりブラッシングしているから、むし歯も歯周病も大丈夫!」という訳にはいきません。大人も子どもも、生活習慣の乱れが口腔内のトラブルに結びつくことも多いため、次のことに注意して予防に努めましょう。

健康な歯はよい生活習慣から
  1   「口がさみしいから常に飴をなめる」「間食が多い」など、長時間口の中に食べ物がある状況は避けましょう。虫歯菌が繁殖しやすく、虫歯になりやすい状態になります。
  2   姿勢が悪いと口呼吸になりがちで、唾液の分泌が悪くなり、虫歯菌が繁殖しやすい状況に。正しい姿勢を心がけましょう。
  3   眠っている間は唾液の分泌が減って、虫歯菌が繁殖しやすくなります。眠る前のブラッシングはより丁寧に。
  4   歯を磨いているのに、いつも同じところが磨けていないのは、口腔周囲筋がしっかりと動いてない(機能していない)からかも?