当医院では乳幼児の口腔機能相談を随時受け付けております。
本邦では、「新生児期から乳児期前期の舌小帯短縮症は哺乳障害とは関係がなく、手術の必要性はない」との考え方が主流ですが、当方の30数年の臨床経験から不正咬合の発現と、不正咬合に至る根本原因の一つに舌小帯短縮症及び上唇小帯異常はあらゆる口腔機能の発達不全、更には頭蓋顔面発育障害を引き起こす可能性が極めて高いとの判断から、慎重に診査診断を行い、ご両親様のご理解を得られた場合にのみ必要に応じて処置を実施しております。
尚、アメリカの小児科学教科書「CURRENT Diagnosis &Treatment Pediatrics2021-21」には、“哺乳障害を伴う舌小帯短縮症は新生児に切開すべき”と記載されています。
舌小帯リリースに関する賛否は論文においても意見の分かれるところではありますが、実際に舌小帯短縮症の手術を受けた直後に正しく哺乳が出来るようになる乳幼児の姿からは、子供達の間違った成長発育をただ黙って経過を診ていては状況は悪化するばかりであり、“成長発育の最適化”を行う一環として乳幼児における舌小帯や上唇小帯の適切な処置は避けて通れないと確信するものであります。